この記事でわかること
韓国旅行中に「少し体調が気になる」「日本から薬を持ってくるのを忘れた」「薬局とドラッグストアの違いがわからない」と感じたときの、基本的な動き方をまとめます。
この記事は旅行中の行動ガイドであり、診断や治療、薬の選び方・飲み方を指示するものではありません。症状が強い、長引く、いつもと違う、持病・妊娠中・アレルギー・服薬中の薬がある場合は、薬剤師や医師に必ず相談してください。呼吸困難、強い胸痛、意識がぼんやりする、激しい腹痛、高熱が続く、重いアレルギー反応などは薬局ではなく、すぐに救急相談・救急医療につなぐ場面です。
この記事で扱う内容は次の通りです。
- 韓国の薬局「약국」の基本
- 日本の薬局・ドラッグストア・コンビニとの違い
- 旅行者が薬局を使う流れ
- 薬剤師に見せると便利な情報
- 症状を伝える韓国語フレーズ
- 処方箋薬と一般用医薬品の注意点
- 夜間・休日の薬局の探し方
- 日本から薬を持ち込むときの注意
- よくある失敗とFAQ
韓国の薬局「약국」はどんな場所?
韓国で薬局は「약국(ヤックク)」と呼ばれます。街中では「약」や「약국」と書かれた看板、十字マーク、緑や赤のサインを目印に探すことが多いです。病院・クリニックの近く、地下鉄駅の周辺、住宅街、商業エリアにまとまってあることもあります。
韓国では、病院やクリニックで診察を受け、必要があれば処方箋をもらい、近くの薬局で薬を受け取る流れが一般的です。観光客の場合も、韓国の医療機関で出された処方箋を薬局に持っていく、または軽い不調について薬剤師に相談して一般用医薬品を購入する、という使い方になります。
ただし、薬局は「旅行中の不調を何でも解決する場所」ではありません。薬剤師は薬について相談できる専門職ですが、診断が必要な症状、検査が必要な症状、緊急性のある症状は医療機関につなぐ必要があります。韓国の緊急番号や相談先は、事前に韓国の緊急電話番号ガイドも確認しておくと安心です。
薬局・ドラッグストア・コンビニの違い
日本の感覚で「ドラッグストアに行けば薬がいろいろ買える」と思うと、韓国では少しズレることがあります。
薬局「약국」
薬剤師がいて、一般用医薬品の相談や、処方箋に基づく調剤を行う場所です。旅行中に薬について相談したい場合、まず探すべきなのは薬局です。
買える可能性があるものは、たとえば次のようなカテゴリーです。
- 解熱・鎮痛に関する一般用医薬品
- 胃腸の不調に関する一般用医薬品
- 鼻・のど・咳などに関する一般用医薬品
- 乗り物酔いに関する薬
- 外用薬、湿布、絆創膏、消毒関連用品
- 目薬や皮膚用の製品の一部
どの薬が合うか、服用してよいか、他の薬と一緒に使えるかは人によって違います。商品名や成分だけで自己判断せず、症状・体質・服薬中の薬を薬剤師に伝えてください。
ドラッグストア・ヘルス&ビューティー系ショップ
オリーブヤングのような店では、コスメ、スキンケア、サプリ、衛生用品、日用品を中心に扱います。日本の大型ドラッグストアのように、一般用医薬品まで幅広く買えるとは限りません。
韓国コスメやケア用品を買う感覚で入る店と、薬剤師に相談して薬を買う薬局は分けて考えるとわかりやすいです。
コンビニ
韓国のコンビニでも、店舗によって一部の安全常備医薬品や衛生用品を扱う場合があります。ただし、薬剤師に相談できる場所ではありません。薬の相談が必要なときは薬局へ、夜間で迷うときは夜間薬局や救急案内を確認しましょう。
韓国のコンビニの基本的な使い方は、別記事の韓国コンビニ完全ガイドでも紹介しています。
韓国の薬局の使い方:旅行者向けステップ
1. まず症状の緊急度を考える
軽い不調なら薬局相談が選択肢になりますが、強い症状や急な悪化がある場合は薬局に行く前に医療機関・救急相談を優先してください。
特に次のような場合は、薬局で様子を見るより救急・医療機関への相談が必要です。
- 息苦しい、胸が強く痛い
- 意識がぼんやりする、倒れた
- 顔や唇が腫れる、全身にじんましんが出る
- 強い腹痛、激しい嘔吐や下痢が続く
- 高熱が続く、脱水が心配
- 頭を打った、出血が止まらない
- 子ども、高齢者、妊娠中、持病がある人の体調不良
2. 地図アプリで「약국」と検索する
韓国ではNaver Map、KakaoMap、Google Mapなどで「약국」と検索すると近くの薬局が見つかります。日本語で「薬局」と入れるより、韓国語の「약국」を使うほうが見つけやすい場面があります。
営業時間は地図アプリ上で表示されても、実際には休憩・臨時休業・休日短縮営業のことがあります。夜間や休日は、行く前に電話できるなら確認するのが安全です。
韓国で通信が不安定だと薬局検索や翻訳がしにくくなるので、旅行前に韓国Wi-Fi・SIM・eSIMガイドでネット環境も準備しておくと動きやすいです。
3. 入店したら症状を短く伝える
韓国語が苦手でも、スマホ翻訳、症状メモ、写真、現在飲んでいる薬の情報を見せれば相談しやすくなります。
最初の一言は、次のようにシンプルで十分です。
- 「약사님, 상담 가능할까요?」
- 薬剤師さん、相談できますか?
または、翻訳アプリで日本語から韓国語にして見せても問題ありません。観光地の薬局では英語・日本語に少し慣れている薬剤師やスタッフがいることもありますが、必ず通じるとは考えず、画面で見せられる準備をしておくのが現実的です。
4. 薬剤師に確認してから買う
パッケージの雰囲気やSNSのおすすめだけで選ばず、薬剤師に次の点を確認しましょう。
- 自分の症状に対して薬局で対応できる範囲か
- 服用中の薬やアレルギーと問題がないか
- 眠気など旅行中に注意すべき点があるか
- 食前・食後など説明が必要な点があるか
- 症状が続く場合、いつ医療機関へ行くべきか
この記事では、特定の薬の銘柄や用量は紹介しません。薬は「韓国で人気だから安全」「日本人旅行者がよく買うから大丈夫」とは限らないためです。
5. 支払いとレシートを確認する
多くの薬局ではクレジットカード決済に対応していますが、小さな店舗や一部商品では状況が異なることもあります。念のため少額の現金もあると安心です。
購入後は、レシート、薬袋、説明書、パッケージをすぐ捨てないでください。後で医療機関に行くことになった場合、何を買ったかを伝える手がかりになります。
薬剤師に見せると便利な情報
薬局での相談は、情報が多いほど安全に近づきます。スマホのメモに日本語と韓国語翻訳を並べておくと便利です。
見せたい情報は次の通りです。
- いつから症状があるか
- どこが、どのようにつらいか
- 熱があるか、体温は何度か
- 妊娠中・授乳中か
- 持病があるか
- アレルギーがあるか
- 現在飲んでいる薬、サプリ、漢方薬があるか
- 日本から持参した薬の写真や成分名
- 年齢、体重が必要になりそうな場合の情報
特に大切なのは「今飲んでいる薬」と「アレルギー」です。薬の飲み合わせや重複を避けるため、薬剤師に見せられる形にしておきましょう。
使える韓国語:症状・相談フレーズ
表にするとスマホで見にくいことがあるので、ここでは箇条書きでまとめます。発音に自信がなければ、そのまま画面を見せてください。
最初に使うフレーズ
- 「약사님, 상담 가능할까요?」:薬剤師さん、相談できますか?
- 「일본어는 어렵고, 번역기로 보여드릴게요.」:日本語は難しいので、翻訳機で見せます。
- 「이 증상에 대해 약을 살 수 있을까요?」:この症状について薬を買えますか?
- 「병원에 가야 할 정도인가요?」:病院に行くべき程度ですか?
症状を伝えるフレーズ
- 「머리가 아파요.」:頭が痛いです。
- 「목이 아파요.」:のどが痛いです。
- 「기침이 나요.」:咳が出ます。
- 「콧물이 나요.」:鼻水が出ます。
- 「열이 있어요.」:熱があります。
- 「배가 아파요.」:お腹が痛いです。
- 「속이 안 좋아요.」:胃の調子が悪いです。
- 「설사를 해요.」:下痢をしています。
- 「토할 것 같아요.」:吐きそうです。
- 「멀미가 나요.」:乗り物酔いしています。
- 「피부가 가려워요.」:皮膚がかゆいです。
- 「눈이 따가워요.」:目がしみます・ヒリヒリします。
体質・注意点を伝えるフレーズ
- 「알레르기가 있어요.」:アレルギーがあります。
- 「이 약을 먹고 있어요.」:この薬を飲んでいます。
- 「임신 중이에요.」:妊娠中です。
- 「수유 중이에요.」:授乳中です。
- 「운전할 예정이에요.」:運転する予定があります。
- 「졸릴 수 있나요?」:眠くなることがありますか?
- 「술을 마셔도 되나요?」:お酒を飲んでもいいですか?
旅行中は飲酒、長時間移動、睡眠不足が重なりがちです。薬との相性は自己判断せず、薬剤師に確認してください。
韓国の薬のカテゴリーをざっくり理解する
韓国語の薬局では、商品名よりも「どんなカテゴリーか」を伝えられると相談がスムーズです。ただし、カテゴリーを知っていることと、自分に合う薬を選べることは別です。必ず薬剤師に確認しましょう。
- 「해열진통제」:解熱鎮痛薬
- 「감기약」:風邪薬
- 「소화제」:消化を助ける薬
- 「위장약」:胃腸薬
- 「지사제」:下痢止め
- 「멀미약」:酔い止め
- 「알레르기약」:アレルギー薬
- 「연고」:軟膏
- 「파스」:湿布
- 「안약」:目薬
- 「밴드」:絆創膏
同じカテゴリーでも、成分、眠気、禁忌、年齢制限、服用タイミングは商品によって異なります。日本で使い慣れた薬と似た名前に見えても、成分や濃度が同じとは限りません。
処方箋薬と一般用医薬品の注意点
韓国の薬局では、処方箋が必要な薬と、薬局で相談して買える一般用医薬品があります。旅行者が注意したいのは、「日本で処方されている薬を、韓国の薬局で同じように買えるとは限らない」という点です。
たとえば、日本でいつも使っている薬が韓国では処方箋扱いだったり、同じ商品名がなかったり、成分は近くても別の商品しかなかったりします。処方箋薬が必要な場合は、薬局だけで完結しないことがあります。
また、SNSやブログで見た薬を指名買いする場合でも、次の点は必ず確認しましょう。
- 自分の症状に合う薬なのか
- 持病や服薬中の薬と一緒に使えるのか
- 眠気や胃への負担など旅行中の注意点があるか
- 何日たっても改善しない場合にどうするべきか
薬の効き目や安全性は個人差があります。この記事では、特定の薬をおすすめしたり、用量を案内したりしません。
夜間・休日に薬局を探す方法
韓国の薬局は、平日昼間や夕方は見つけやすい一方、深夜・早朝・旧正月や秋夕などの連休は探しにくくなります。
夜間や休日は、次の方法で確認します。
- 地図アプリで「24시간 약국」「심야약국」「휴일지킴이약국」と検索する
- 公的な救急医療情報ポータル「E-Gen」で開いている医療機関・薬局を探す
- 韓国薬剤師会系の「휴일지킴이약국 Pharm114」を確認する
- ソウル滞在なら、ソウル市の公共深夜薬局(공공심야약국)情報を確認する
- 観光相談が必要なら1330 Korea Travel Helplineに相談する
ソウル市は公共深夜薬局(공공심야약국)を指定し、夜間帯にも利用できる薬局情報を公開しています。ただし、営業日や営業時間は変わることがあるため、公式ページや地図アプリだけでなく、可能なら電話確認してから向かうのが安全です。
重い症状がある場合は「夜まで待って薬局」ではなく、救急医療につなぐ判断が必要です。旅行中はホテルのフロントに相談する、119や1330を使う、近くの救急医療機関を探すなど、早めに動きましょう。
日本から薬を持っていくときの注意
いつも飲んでいる薬がある人は、旅行前に主治医・薬剤師に相談し、滞在日数に合った量を準備するのが基本です。薬はできるだけ元の包装や薬袋のまま持ち、成分名・処方内容がわかる資料も一緒にしておくと説明しやすくなります。
特に注意したいのは、韓国に持ち込む薬の成分です。韓国の関税庁は、海外で販売されている風邪薬、睡眠薬、ダイエット関連薬などでも、韓国で麻薬類・向精神性医薬品・大麻成分などに該当する成分が含まれる場合、規制対象になり得ると注意喚起しています。MFDSの医薬品安全情報サイトには、自己治療目的の麻薬類持ち込み許可に関する窓口もあります。
不安がある場合は、出発前に韓国の公式情報、航空会社、在外公館、主治医・薬剤師に確認してください。とくに処方薬、睡眠薬、精神・神経系の薬、医療用大麻・CBD関連、海外で買った薬、サプリと薬の境目があいまいな製品は、自己判断で持ち込まないほうが安全です。
よくある失敗
薬局ではなくコスメ店に行ってしまう
韓国のヘルス&ビューティー系ショップは便利ですが、薬剤師に薬を相談する場所とは限りません。薬の相談は「약국」へ行きましょう。
症状だけでなく、飲んでいる薬を伝え忘れる
薬の重複や飲み合わせは大事です。日本から持ってきた薬、サプリ、漢方薬も含めて見せてください。
日本語名の商品だけで探そうとする
日本の商品名が韓国で通じるとは限りません。パッケージ写真、成分名、処方箋、薬の説明書があると相談しやすくなります。
夜間に地図アプリだけを信じて向かう
営業時間が更新されていないことがあります。夜間・休日は、公式検索、電話確認、ホテルへの相談を組み合わせましょう。
強い症状を薬局で済ませようとする
薬局は便利ですが、緊急症状や診断が必要な症状の代わりにはなりません。迷ったら早めに医療機関や救急相談につなぐことが大切です。
日本との違いをざっくり整理
日本と韓国は近い国ですが、薬を買う感覚には違いがあります。
- 韓国では「약국」とヘルス&ビューティー系ショップを分けて考える
- 病院・クリニックの近くに薬局が多い
- 処方箋が必要な薬は薬局だけでは買えない
- 一般用医薬品でも、薬剤師への相談が前提になる場面が多い
- 観光地では外国語対応に慣れた薬局もあるが、どこでも日本語が通じるわけではない
- 夜間・休日は事前検索と電話確認が重要
旅行者にとっては、「薬を買う」より「薬剤師に相談して、薬局で対応できる範囲か確認する」と考えるほうが安全です。
FAQ
韓国の薬局で日本語は通じますか?
明洞、弘大、江南、主要観光地、空港周辺などでは日本語や英語に慣れた薬局もありますが、必ず通じるとは限りません。症状、アレルギー、服薬中の薬を翻訳アプリで見せられるようにしておくと安心です。
韓国の薬局で処方箋なしに薬は買えますか?
一般用医薬品の一部は薬局で相談して買えることがあります。一方で、処方箋が必要な薬は医師の診察と処方箋が必要です。日本で処方されている薬と同じものを、韓国の薬局でそのまま買えるとは考えないほうが安全です。
コンビニで薬を買っても大丈夫ですか?
店舗によって一部の安全常備医薬品を扱う場合がありますが、薬剤師に相談できるわけではありません。症状や飲み合わせに不安がある場合は薬局へ行きましょう。症状が重い場合は医療機関・救急相談を優先してください。
韓国の薬は日本人にも安全ですか?
国籍で安全性が決まるわけではありません。年齢、体質、アレルギー、持病、妊娠・授乳、服薬中の薬によって注意点が変わります。韓国で一般的な薬でも、自分に合うとは限らないため、薬剤師や医師に確認してください。
夜中に薬局が見つからない場合は?
E-Gen、Pharm114、地図アプリ、ソウル市の公공심야약국情報、1330 Korea Travel Helplineなどを使って探します。強い症状や不安が大きい場合は、薬局探しに時間を使いすぎず、119や医療機関につなぐ判断をしてください。
日本から市販薬を持って行ってもいいですか?
個人使用の範囲で持って行く人は多いですが、成分によっては韓国で規制対象になる可能性があります。特に睡眠薬、精神・神経系の薬、咳止め、痛み止め、ダイエット関連、CBD関連などは注意が必要です。出発前に公式情報や専門家に確認し、薬の説明書や処方情報を持参しましょう。
薬局で買った薬を飲んでもよくならない場合は?
症状が続く、悪化する、いつもと違う、発熱・痛み・嘔吐・下痢などが強い場合は、薬を追加で買い足す前に医療機関へ相談してください。薬局で「病院に行くべきか」を聞くのも大切です。
まとめ
韓国の薬局の使い方は、難しく考えすぎなくても大丈夫です。目印は「약국」、相談相手は薬剤師、伝えるべきことは症状・アレルギー・今飲んでいる薬。この3つを押さえるだけで、旅行中の不安はかなり減ります。
一方で、薬は旅行グッズではなく医薬品です。韓国でよく売れている薬、SNSで見た薬、日本人観光客に人気の薬でも、自分に合うとは限りません。軽い不調は薬剤師に相談し、強い症状や迷う症状は医師・救急につなぐ。この線引きを覚えておくと、韓国旅行中も落ち着いて行動できます。
参考・出典
- Ministry of Food and Drug Safety, Drug Safety: https://nedrug.mfds.go.kr/eng/index
- Korea Customs Service, 麻薬成分含有医薬品に関する注意案内: https://customs.go.kr/kcs/cm/cntnts/cntntsView.do?cntntsId=7640&mi=13807
- E-Gen Emergency Medical Portal: https://www.e-gen.or.kr/egen/main.do
- Pharm114 休日守り薬局: https://www.pharm114.or.kr/main.asp
- Seoul Metropolitan Government, 公共深夜薬局案内: https://news.seoul.go.kr/welfare/archives/567003
- Korea Tourism Organization, 1330 Korea Travel Helpline: https://english.visitkorea.or.kr/svc/contents/infoHtmlView.do?vcontsId=140691
- Health Insurance Review & Assessment Service: https://www.hira.or.kr/main.do